まいど!タケよん!(@takeyon7)です。
リーマンショック以降アメリカの経済成長は目を見張るものがあります。
好調なリターンを見るとアメリカに投資をするのは必然ですが「卵は一つの籠に盛るな」の格言がある通りアメリカ一辺倒で良いかは疑問です。
その際に活用できそうなETFの選択肢にバンガードのバンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)ETF(VEU)があがります。
そこで今回はこのアメリカ以外の先進国、新興国に投資すると言うVEUについて調べて見ました。
本記事の結論・まとめ
- 確かにVEUだけでアメリカ以外の世界中の株式に分散投資ができる
- ただし投資先の2割強は日本株式への投資になる
- 為替リスク、国内より高い米国株式取引手数料を払って購入する意味はない
- 長期的にはアメリカのリターン>アメリカ以外となっており、2018年からはその差が顕著
- VTI50%+VEU50%でより経費率の安い疑似VTが作れる!
VEUの特徴
VEUとは世界第2位の運用資産額を誇るバンガード社が運用するETFです。正式名称は「バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)ETF(VEU)」です。
VEU基本データ | |
投資対象 | 米国を除く世界の先進国および新興国株式 |
対象インデックス | FTSEオールワールド(除く米国)インデックス |
配当利回り | 2.96% |
経費率 | 0.09% |
配当月 | 四半期毎(3,6,9,12月) |
構成銘柄数 | 2,714 |
設定日 | 2007/3/2 |
目標とするベンチマークはFTSEオールワールド(除く米国)インデックスです。
このインデックスはアメリカ以外の全世界(日本、イギリス、中国、フランスなど)などの大型株・中型株・小型株約2,714銘柄で構成されます。
気になる経費率は0.11%です。ポートフォリオがアメリカ100%のVTIで経費率0.04%、他の他国が50%程度混じるVTが経費率0.10%まで上がる事を考えると、アメリカ以外の国だけで経費率0.09%に抑えることができている点は優秀だと思います。
さすがバンガード社と言ったところです。
VEUの国別構成比率
投資対象を国別にみると一番割合が大きいのが日本です。
日本に居ながら、わざわざドルで、米国株式の高い取引手数料を払って買う商品の中身の2割弱は日本株です。
国 | 構成比率 |
日本 | 17.8% |
英国 | 12.6% |
中国 | 7.5% |
フランス | 7.1% |
ドイツ | 6.4% |
カナダ | 5.9% |
スイス | 5.2% |
オーストラリア | 4.9% |
韓国 | 3.4% |
台湾 | 2.7% |
その他 | 26.5% |
日本に次いではイギリス、中国、フランス、ドイツと続きます。
デメリット:日本株式への投資が2割弱を占めている
この国別構成比率で2割強が日本株式への投資となる点が日本人にあまりオススメでない理由です。
日本に居ながらドル建てでETFに投資をするも、中身は2割弱が日本株式。わざわざ海外ETFで運用する意味ないですね。
日本の株価の価格変動だけでなくドル円の為替レートの影響も受けます。投資手段はシンプルな方が良いです。
また、日本人なら日本株式を安い手数料で購入することができますが、米国株式市場に上場するETFを買おうとすると片道0.45%程度の米国株購入手数料に加え、為替手数料も必要になります。日本株への投資なのに…
デメリットの方が目立ちますね。わざわざ米国株式の高い取引手数料を払って日本株を購入する理由はありません。
日米除く先進国株式インデックスETFみたいなのがあれば良いのですが、ニッチすぎて開発されないですかね。
アメリカ在住の人ならVEUもイイかもね!
資産の多くをドルで持つアメリカ在住の方は分散投資の一環としてVEUを持つのも一考かと思います。
VTでもいいかも知れませんが、各国の資産比率を好きに変えたい場合はVTIをメインにアメリカ株で運用しながら(VOOでもいいかもしれませんね)、サテライト的にVEUで他の先進国をカバーして、VWOで新興国も抑えておく。
こんな作戦が取れるかと思います。アメリカ人には。コスト的にも安く収まるでしょうし。
VEUの構成銘柄
VEUは全2,714銘柄で構成されています。8,000銘柄もあるVTほどではありませんが、かなりの分散効果があります。
銘柄 | 構成比率 | 配当利回 |
Royal Dutch Shell plc | 1.40% | 5.66% |
Tencent Holdings Ltd. | 1.30% | 0.29% |
Nestle SA | 1.10% | 2.89% |
Samsung Electronics Co. Ltd. | 1.00% | 2.87% |
Alibaba Group Holding Ltd. | 0.90% | – |
HSBC Holdings plc | 0.90% | – |
Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd. | 0.80% | 3.07% |
トヨタ自動車 | 0.80% | 3.30% |
Novartis AG | 0.80% | 3.41% |
Roche Holding AG | 0.70% | 3.45% |
1位はオランダのロイヤル・ダッチ・シェルで世界2位、ヨーロッパで1位の石油エネルギー企業です。
2位は中国でITサービスを行う企業です。メッセージアプリやSNSサービスなどを展開しています。
3位のネスレは世界最大の食品、日用品メーカーです。ネスカフェ、キットカット、ミロなど言われて見れば普段よく口にする食品や飲料がネスレ製品だったりします。
8位に日本のトヨタがランクインしていますね。ランキング外ですが、日本からは三菱UFJやソフトバンク、ホンダ自動車、三井住友フィナンシャルグループなどが含まれています。普通に日本円で日本市場で買った方が良いですね。
株価・チャート
直近1年間、3年、設定来である2007年からのトータルリターンを先進国トップのアメリカ株式を投資対象としたVTIと比較していきます。
まさにアメリカVS世界といった比較です。
まずは1年間での比較です。VEU(緑)の比較対象としてメリカ株式に広く投資するのVTI(青)を並べています。ここ1年ではVTIの方がパフォーマンスが良いですね。
トータルリターンはVTIの19.5%に対し、VEUはマイナス1.0%です。2018年に入ってからのアメリカ以外のリターンが芳しくない事が露呈したチャートですね。
ETFreplay.comより
次は3年間での比較です。1年間同様に全体的にVTIより劣る結果になっています。VEUの24.8%に対し、VTIは53.9%ですから倍ほどパフォーマンスに差が出てしまっています。
2018年まではアメリカも世界も概ね仲良く成長している様子がチャートからも読み取れますが、2018年に入ってからのアメリカのリターンとの乖離が激しいです。
ETFreplay.comより
最後にVEUの設定来となる2007年からのチャートです。リーマンショック後の落ち込みまでは似たような成績なのですが、ショック後の回復で大きく差が開いています。
ETFreplay.comより
VTIは170%のリターンに対し、VEUは37.2%です。アメリカが良すぎるのかも知れませんが、11年で37%では魅力に欠けますね。
配当・増配率
過去の配当実績は下図のとおりです。現在の株価に対する配当利回りは3.01%です。増減配を繰り返していますが、最近の年間配当額は約1.5ドル弱です。
ここ3年程度の配当を見てみると増配傾向で最近では毎回0.1ドル以上の配当を出しています。
株価が低迷しているせいか、今日現在の利回りはやVTI(1.68%)、IVV(1.78%)よりもVEU(3.01%)の方が高利回りとなっています。
ブログ後記
新たな発見として経費率のギャップがあることに気が付きました。
アメリカを含む全世界に投資するVTは言わばVTIが50%、このVEUが50%のような商品です。
しかしVTIは経費率0.04%、VEUは0.11%とこの2本のETFでVTを作ると経費率は0.075%で済んでしまいます。
VT持ちたいけど、世界情勢を見てアメリカ株とそれ以外の割合を変えたい人や、VTI+VEUでより経費率の安い疑似VTを作ることもできますね。
ほな、また。
関連記事です。全世界の株式市場の過半数を超えるアメリカ株式市場全体に投資する優秀なETFがVTIです。
このVTIにVEUを半分トッピングしたようなETFがVTです。