ウォーレン・バフェット氏が自分の死後は資金の9割をS&P500に投資せよ!と残しているのは有名な話です。ではそのS&P500に投資するとしてもS&P500連動ETFは3強時代で選定に悩みます。
何を基準にどれを選んでよいのか悩みますよね。米国株ETFは購入時に手数料もかかるし、そもそも短期売買で利ザヤを狙う商品ではないし、長期保有が鉄則です。なので最初の銘柄選びが大事になってきます。米国株式市場のS&P500連動ETFはVOO,IVV,SPYが有名なのでこの3つを比較してみました。
時間をかけて比較しましたが、はっきり言って「3つのETFをじっくり時間をかけて比較するのは無駄です」という事がわかりました。皆さんの代わりに時間を使って調べて整理したので感謝するように(笑)
なお記事中のデータは各ETFのファクトシート等の公開情報を元にまとめています。
構成銘柄の比較
S&P500指数は組み込み銘柄数はぴったり500ではなく、505銘柄で構成されています。そして各ETFの構成銘柄数を調べて見るとVOOだけ506銘柄です。IVVもSPYも505銘柄と対象指数と同じ数で構成されています。
差はありますが、構成銘柄の差に意味は無いと言っていいでしょう。
配当利回りの比較
各ETFの配当利回りを比較してみました。
結果、配当利回りはVOO,IVV,SPYで全く同じです。かつ分配金の権利落ち日も分配月が同じ毎年3,6,9,12月の20日前後と同じです。配当スケジュールが同じなので複数ETFへの分散は無意味です。管理が面倒になる分無駄です。
3,6,9,12月以外の分配月を持つETFを作ればニーズがあると思うのですがどうでしょう?S&P500のETFだけで毎月分配みたいに配当を受け取ることができるので持ちたい人も一定数いると思うのですが。
経費率
唯一、経費率の差が3つのETFに明確な差が出るところです。
SPYだけ経費率が高いです。他のVOO,IVVは同じ経費率のため、購入候補からSPYを外せばIVV,VOOどちらを選んでも正解です。
ただ、劇的な差はないため、今SPYを持っている人が売却手数料、買い付け手数料を払ってまでVOO,IVVに乗り換えるメリットはありません。次に買い増すETFから銘柄変更をすれば良いです。
リターン比較
過去1年リターンと5年リターンを比較してみました。
当然ですがリターンはほぼ同じです。経費率の同じVOOとIVVのリターンの差は狭いです。1年平均でも0.7%未満ですので誤差とも言えるでしょう。
SPYだけややリターンが悪いのは経費率の差でしょうか。それでも1年平均にすると0.1%未満ですので微々たる差と言えるでしょう。これが上記で経費率の差でETFを買い替える必要はない理由です。
株価・安値・高値
調査日の5/17(23時ごろ)の株価と52週安値、高値を調べて見ました。
株価はIVV>SPY>VOOですが、上記のようにリターンはほぼ同じですので、株価の額面の高い安いに意味はありません。
ちなみに52週安値は17/5/18で、高値は18/1/26でした(5/17時点の情報です)。
運用会社
各ETFの運用会社はそれぞれ米国市場におけるETF運用会社3強です。
- VOO:バンガード社(資産運用総額第2位)
- IVV:ブラックロック社(資産運用総額第1位)
- SPY:ステート・ストリート社(資産運用総額第3位)
中でもIVVを運用するブラックロック社は圧倒的なシェアを誇り、ETF市場の約40%のシェアをブラックロック社が握っています。一方2位のバンガード社はシェアではブラックロック社には及ばないものの最近はコスト・リーダーシップ戦略を図っているのか、バンガード社は低コスト化に力を入れており、注目されています。
まとめ
- SPYは高経費率からあえて買う理由がない
- IVVとVOOはどっちも同じ
- じっくり比較検討する時間が無駄
関連記事です。S&P500そのものについて書きました。
NYダウとS&P500の比較もしています。