まいど!タケよん!(@takeyon7)です。
投資の格言「卵は一つのカゴに盛るな」とあるようにアメリカ一極集中投資せずに他国への分散投資をどう行うべきか迷う所ですね。
そこでアメリカ株式をVTIなどでメインに投資しつつも世界分散のために有効活用できそうなETFとしてアメリカを除く先進国に投資できるVEAと言うバンガードのETFがあるので調べて見ました。
2017年までのアメリカの株価成長率は10年近く堅調に推移しており米国株投資ブームの様相を見せていましたが、2018年は10年ぶりの下落幅となってしまいました。
先進国各国の株価成長は鈍化し、新興国の株価に至ってはしばらく下落モードです。
そんな中2018年初めまで一人絶好調だったのがアメリカ株です。伸びている資産に投資をするのは正解ですが、一極集中投資は不正解です。
そこでVTIにVEAをトッピングすることで好みの割合で先進国各国に分散できるのではないかと考えてみました。
本記事の結論・まとめ
- 確かにVEAだけでアメリカ以外の先進国に分散投資ができる
- しかし投資先の2割強は日本株式への投資になる
- 為替リスク、国内より高い米国株式取引手数料を払って購入する意味はない
- 年間平均成長率も2007年来で1.0%とリスクに対してリターンが低い
VEAならアメリカ以外の先進国に投資しているからリスク分散に好適か?
アメリカ一極集中投資によるリスクをヘッジするための手段として、バンガードのVEA(バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF)が選択肢としてあがるかもしれません。
アメリカ以外の先進国へ投資をするETFなのでアメリカ株式を中心としたポートフォリオのリスクヘッジに適しているように見えます。
しかし、VEAの中身は2割は日本株なのでわざわざドル建ての為替リスクを背負って国内株式の取引手数料よりも高い米国株式取引手数料を払って保有する意味が見つかりません。
VEAの特徴
VEAとは世界第2位の運用資産額を誇るバンガード社が運用するETFです。正式名称は「バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF」です。
バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF(VEA)基本データ | |
投資対象 | カナダ、欧州地域の先進国市場、および 太平洋地域の先進国のグロース、バリュー株式 |
対象インデックス | FTSE先進国オールキャップ(除く米国)インデックス |
構成銘柄数 | 3,905 |
配当利回り | 3.38%(2019/1/5時点) |
経費率 | 0.05% |
設定日 | 2007/7/20 |
配当スケジュール | 年4回(3,6,9,12月) |
目標とするベンチマークはFTSE先進国オールキャップ(除く米国)インデックスです。
このインデックスは日本、英国、カナダ、フランス、ドイツ、スイス、オーストラリアなどの先進国市場の、大型株・中型株・小型株約3,837銘柄で構成されます。
気になる経費率は0.07%です。これだけ国をまたいで分散している割に安いですね。さすがバンガード社と言ったところです。
国別構成比率
投資対象を国別にみると一番割合が大きいのが日本です。米国市場に上場するETFを使って世界分散投資!と言っても中身の2割は日本株です。
国 | 構成比 |
日本 | 22.4% |
英国 | 15.3% |
フランス | 8.2% |
ドイツ | 8.0% |
カナダ | 7.8% |
スイス | 6.5% |
オーストラリア | 5.9% |
韓国 | 4.9% |
香港 | 3.3% |
オランダ | 3.0% |
その他 | 14.7% |
日本に次いではイギリス、カナダ、フランス続きます。
おススメできない理由:日本株式への投資が2割強を占めている
この国別構成比率で2割強が日本株式への投資となる点が日本人にあまりオススメでない理由です。
日本に居ながらドル建てでETFに投資をするも、中身は2割が日本株式。わざわざ海外ETFで運用する意味ないですね。
日本の株価の価格変動だけでなくドル円の為替レートの影響も受けます。投資手段はシンプルな方が良いです。
また、日本人なら日本株式を安い手数料で購入することができますが、米国株式市場に上場するETFを買おうとすると片道0.45%程度の米国株購入手数料に加え、為替手数料も必要になります。日本株への投資なのに…
デメリットの方が目立ちますね。わざわざ米国株式の高い取引手数料を払って日本株を購入する理由はありません。
日米除く先進国株式インデックスETFみたいなのがあれば良いのですが、ニッチすぎて開発されないですかね。
アメリカ在住の人ならVEAもイイかもね!
資産の多くをドルで持つアメリカ在住の方は分散投資の一環としてVEAを持つのも一考かと思います。
VTでもいいかも知れませんが、各国の資産比率を好きに変えたい場合はVTIをメインにアメリカ株で運用しながら(VOOでもいいかもしれませんね)、サテライト的にVEAで他の先進国をカバーして、VWOで新興国も抑えておく。
こんな作戦が取れるかと思います。アメリカ人には。コスト的にも安く収まるでしょうし。
構成銘柄
VEAは全3,905銘柄で構成されています。
1位はオランダのロイヤル・ダッチ・シェルで世界2位、ヨーロッパで1位の石油エネルギー企業です。ネスレは世界最大の食品、日用品メーカーです。ネスカフェ、キットカット、ミロなど言われて見れば普段よく口にする食品や飲料がネスレ製品だったりします。
銘柄 | 構成比率 | 国 |
ロイヤル・ダッチ・シェル | 1.4% | オランダ |
ネスレ | 1.3% | スイス |
サムスン電子 | 1.3% | 韓国 |
HSBCホールディングス | 1.0% | イギリス |
ノバルティス | 0.9% | スイス |
エフ・ホフマン・ラ・ロシュ | 0.9% | スイス |
トヨタ自動車 | 0.8% | 日本 |
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ | 0.8% | イギリス |
ユニリーバ | 0.8% | オランダ |
BP | 0.7% | イギリス |
7位に日本のトヨタがランクインしていますね。ランキング外ですが、日本からは三菱UFJやソフトバンク、ホンダ自動車、三井住友フィナンシャルグループなどが含まれています。普通に日本円で日本市場で買った方が良いですね。
株価・チャート
VEAの設定来からの株価チャートです。設定は2007年なのでリーマンショック直前となります。
未だにリーマンショック前の高値(56.11ドル)を超えられずにいます。またリーマンショック時には19.27ドルまで下落しているため下落率は65%とかなり大きいです。
2010年以降は上下しながらも緩やかな上昇相場となっています。テクニカルに見ればサポートラインを切り上げながら上昇しており、逆張り思考になりますが2016年以来の仕込みどころとも見て取れます。
トータルリターン比較
直近1年間、3年、設定来である2007年からのトータルリターンを先進国トップのアメリカ株式を投資対象としたVTIと比較していきます。
過去1年のトータルリターン比較(VEA vs VTI)
まずは1年間での比較です。VEA(緑)の比較対象としてメリカ株式に広く投資するのVTI(青)を並べています。ここ1年ではVTIの方がパフォーマンスが良い(マシ)ですね。
トータルリターンはVTIの-5.5%に対し、VEAは-14.2%です。ここ1年は下落相場ですがアメリカが他の先進国に比べると踏みとどまっていると言った印象です。
ETFreplay.comより
過去3年のトータルリターン比較(VEA vs VTI)
次は3年間での比較です。1年間同様に全体的にVTIより劣る結果になっています。VEAの年間平均成長率4.7%に対し、VTIは9.9%ですから倍ほどパフォーマンスに差が出てしまっています。
2017年までの成長率はアメリカも他の先進国も大差ありませんが、2018年の下落幅に差が出ています。
ETFreplay.comより
2007年来のトータルリターン比較(VEA vs VTI)
最後にVEAの設定来となる2007年からのチャートです。リーマンショック後の落ち込みまでは似たような成績です。
2011年頃からアメリカと他の先進国との差が広がり続けています。まさにアメリカ1強体制になりつつあります。
ETFreplay.comより
VTIは年間平均成長率が6.8%のもあるのに対し、VEAはたった1.0%です。アメリカが強すぎる知れませんが、VEAの成長率1.0%は株価成長率にしては低いです。
VEAの配当・増配率
過去の配当実績は下図のとおりです。現在の株価に対する配当利回りは3.38%です。増減配を繰り返していますが比較的安定していると言えます。配当額は大体年間1ドル強です。
VEAの配当履歴
四半期ごとに配当支払いがありますが6月12月に額が大きくなる傾向にあります。
株価が低迷しているせいか、2019/1/5現在の利回りはVTI(2.08%)、IVV(2.26%)よりもVEA(3.38%)の方が高利回りとなっています。
ほな、また。
関連記事です。全世界の株式市場の過半数を超えるアメリカ株式市場全体に投資する優秀なETFがVTIです。