DEM(ウィズダムツリー 新興国株 高配当ファンド)は新興国への投資と高配当銘柄への投資の両立ができるETFです。
DEMは米国株式市場に上場しているため、新興国株投資でありながら投資への難易度はぐっと下がります。
同じ新興国へ投資するバンガードのVWOは配当利回りが2.53%ですが、このDEMは4.66%も配当があります。
DEMの特徴
ウィズダムツリー新興国株高配当ファンドは、台湾、中国、ロシアなどの新興国で配当利回りが高い銘柄に投資するETFです。
連動を目指す指数はウィズダムツリーエマージング・マーケッツ・ハイ・ディビデンド・インデックスです。
経費率は0.63%と他の低経費率のETFと比べると少し割高ですね。ちなみにバンガード社の新興国株式ETFであるVWOの経費率は0.14%です。
これと比較しても高いことが分かります。
構成銘柄
DEMは467銘柄で構成されています。構成銘柄の組み入れ比率トップ10は次のとおりです。
構成比率上位10銘柄だけでは全体の27.8%を占めています。VWO(4,712銘柄)ほど分散していません。200銘柄を超えると1銘柄の値動きはほぼ無視できる範囲になりますので個別銘柄の価格急変リスクに対しては十分ヘッジできていると言えます。
銘柄 | 構成比率 | 配当利回 |
Lukoil PJSC ADR | 4.56% | 4.8% |
Gazprom OAO | 4.08% | 5.7% |
Hon Hai Precision Industry Co | 3.25% | 2.4% |
China Mobile Ltd | 2.94% | 6.4% |
China Construction Bank Corp | 2.93% | 4.2% |
Industrial & Commercial Bank of China-H | 2.31% | 4.4% |
China Petroleum & Chemical Cor | 2.12% | 8.3% |
Tatneft PAO | 1.99% | 5.4% |
MTN Group Ltd | 1.82% | 6.3% |
CNOOC Ltd | 1.78% | 4.0% |
それにしても上位陣の高配当さが目を引きます。
業種セクター別構成比率
構成銘柄を業種セクター別で見てみました。
高配当銘柄の多い金融やエネルギー、素材セクターの割合が多くなります。
セクター | 構成比 |
金融 | 22.91% |
エネルギー | 18.81% |
素材 | 13.57% |
情報技術 | 11.96% |
電気通信サービス | 11.96% |
一般消費財・サービス | 6.18% |
公益事業 | 5.76% |
資本財・サービス | 3.52% |
不動産 | 2.99% |
生活必需品 | 1.66% |
上位3セクターのみで過半数を超えます。
国別構成比率
続いて国別の構成比率です。台湾、中国とアジア圏の比率が高いです。
国 | 構成比 |
台湾 | 26.02% |
中国 | 16.46% |
ロシア | 14.11% |
南アフリカ | 12.63% |
タイ | 5.36% |
香港 | 4.90% |
ブラジル | 3.25% |
マレーシア | 2.77% |
韓国 | 2.61% |
メキシコ | 2.19% |
株価・チャート
DEM(緑)と同様に新興国株式への投資をするVWO(青)と比べてみました。経費率はVWOのほうが低く優秀ですが、配当利回りはDEMの方が倍近くも高いです。
トータルリターンでは経費率が高く、長期投資に不利となるDEMの方が優れる結果になりました。
直近1年間のチャートです。今年初めの調整相場時にVWOは値を落としてしまいますが、DEMは配当利回りに支えられているのか下落が緩やかです。
Google Financeより
直近3年間のチャートです。DEMもVWOもほぼ同じようなチャートとなっています。上昇相場の際はあまり違いが出ないですね。
Google Financeより
最後にDEMが設定された2007年からのチャートです。リーマンショック時の動きに両ETFの違いが表れています。
どちらも暴落はするのですが、DEMの方が下落が限定的です。やはり配当の利回りに買い支えられたのでしょうか。
Google Financeより
結果2007年来のパフォーマンスで倍ほどの差が出てしまっています。
分配・配当の推移
決算は年4回(3,6,9,12月)です。が、3月には分配金をしていないため配当金が支払われるのは年3回となります。
配当利回りは4.66%とかなり高配当なETFと言えます。
支配日 | 配当 |
2016/3/30 | $0.0000 |
2016/6/24 | $0.2800 |
2016/9/30 | $0.8050 |
2016/12/30 | $0.2714 |
2017/3/30 | $0.0000 |
2017/6/30 | $0.4300 |
2017/9/29 | $0.9500 |
2017/12/29 | $0.2848 |
2018/3/23 | $0.0000 |
2018/6/28 | $0.4205 |
こうしてグラフで見ると配当が無い3月、配当の多い9月と傾向は掴めるものの、波もありますね。
まとめ
- DEMは新興国かつ高配当な銘柄に投資
- 利回りが4.66%と高い!
- 利回りに買い支えられてリーマンショックの落ち込みもVWOより緩やか!
- 配当は年4回だけど、3月は配当が無さそうです
関連記事です。配当成長といえばバンガードの10連続増配に的を絞ったVIGですね。
VIG(バンガード米国増配株式ETF)もおススメETFです!
高配当な株だけを集めたETFにはVYMとHDVがあります。
そんなETFをまとめて比較した記事はこちらです。