ZMLPとか言う米国籍ETFが14%超の分配利回りだけど何者か調査してみた!

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ZMLP(Direxion ザックス MLP 高配当ETF)とか言う米国株ETF。なにやら分配金利回りが14%超もあるらしい(2020年1月31日時点)

高利回り=ハイリスクで怪しい商品というイメージがあるので保有に値するか真剣に調べてみました。加えZMLPの仕組みも意味不明だったので調べた結果を整理しています。皆様の理解のお助けになれば幸いです。


Google financeより

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そもそもZMLPってナニモノ?

ディレクション・ザックスMLP高配当(Direxion Zacks MLP High Income Shares)は、米国籍のETF(上場投資信託)。Zacks MLP Indexに連動する投資成果を目指す。

Bloobergより

うーん。良く分からん。Zacks MLP Indexとか言う指数があってそれに連動を目指すETFなのはわかった。なるほど、じゃあMLPってなんぞや

MLPとZacks MLP Indexとは

MLPとはMaster Limited Partnership(マスター・リミテッド・パートナーシップ)の頭文字3文字で成る略称だそうです。下図の資料が分かりやすいですが、投資家から集めた資金をエネルギー関連事業に投資をし、収益を投資家に分配する事業形態を取っています。

例えるなら、MLPはエネルギー事業版のREITとも言えます。


三菱UFJ国際投信(米国エネルギーMLPオープン(毎月決算型)為替ヘッジなしの目論見書)より

という事なのでMLPが個々のエネルギー事業版REITで、Zacks MLP IndexはMLP全体の動向を示す指数という事が分かります。

となるとZMLPとはエネルギー事業版REITの指数への連動を目指したインデックスETFと言うことが理解できたかと思います。

Zacks MLP Indexとは時価総額が3億ドル以上のMLPの中からZacks独自のルールで順位付けした上位25のMLPを均等に組み入れて算出される指数です。

指数の算出方法がファクトシートに載っていましたので引用しておきます。

  • 米国内取引所の少なくとも一つに上場されている、すべてのMLPが指数の構成銘柄候補となります。
  • 時価総額が3億ドル未満のMLPは除外されます。
  • バリュー、流動性、空売り残、配当利回り、その他のファクターを含む定量ルールに基づいた手法を用いて各MLPをランク(順位)付けし、高ランク銘柄から低ランク銘柄へと並替えを行います。
  • 最終的に指数はランキング上位25銘柄で構成されます。各銘柄は均等に組み入れられ、構成比率はいずれもポートフォリオの4%となります。
  • 指数構成銘柄候補の選定プロセス、ランク付け、再構築およびリバランスは、四半期毎に実施します。

SBI証券内のファクトシートより

ZMLPの5年チャート

ZMLPの5年チャートですが右肩下がりの軟調なチャートです。

2016年以降はなだらかな下落です。それまでは激しい下落があったことも知っておくべきです。たとえ14%超の分配金利回りがあったとしてもそれ以上に基準価格が下がる可能性があることを理解しておきましょう。


Google financeより

原油価格との相関性

投資対象がエネルギー関連事業であるため、原油価格の影響を大きく受けます。下は原油(WTI原油先物)の5年チャートです。

楽天証券より

ZMLPの配当金

過去5年分の分配金実績です。最近は1株当たり0.4ドルの分配金がありますが、過去は0.76ドルの時期もありました。ほぼ分配金が半減しています。今後も分配金が下がることも大いにあり得ることを示唆しています。

Date 分配金額
2019/12/23 $0.40
2019/9/24 $0.40
2019/6/25 $0.40
2019/3/19 $0.40
2018/12/27 $0.40
2018/9/25 $0.40
2018/6/19 $0.40
2018/3/20 $0.40
2017/12/19 $0.40
2017/9/19 $0.40
2017/6/20 $0.40
2017/3/21 $0.40
2016/12/20 $0.40
2016/9/20 $0.40
2016/6/21 $0.40
2016/3/22 $0.40
2015/12/22 $0.40
2015/9/22 $0.63
2015/6/23 $0.76
2015/3/24 $0.76
2014/12/23 $0.76
2014/9/23 $0.76
2014/6/24 $0.76

ZMLPの構成

上記で述べたようにZacks MLP Index指数が25銘柄で構成されているため、このETFも25銘柄で構成されています。上位10銘柄は以下となりますが、方針が均等(構成比率4%)に25銘柄なので上位10銘柄のランキングにあまり意味を成しません。

ティッカー 銘柄 構成比率
BEP BROOKFIELD RENEWABLE PARTNER 4.77%
HESM HESS MIDSTREAM LP – CLASS A 4.76%
PSXP PHILLIPS 66 PARTNERS LP 4.45%
TCP TC PIPELINES LP 4.41%
HEP Holly Energy Partners LP 4.39%
EPD ENTERPRISE PRODUCTS PARTNERS 4.31%
CNXM CNX MIDSTREAM PARTNERS LP 4.24%
SHLX SHELL MIDSTREAM PARTNERS LP 4.23%
MMP MAGELLAN MIDSTREAM PARTNERS 4.20%
BPMP BP MIDSTREAM PARTNERS LP 4.19%
ENBL ENABLE MIDSTREAM PARTNERS LP 4.08%
DCP DCP MIDSTREAM LP 4.05%
IEP ICAHN ENTERPRISES LP 4.02%
SPH SUBURBAN PROPANE PARTNERS LP 3.99%
NGL NGL ENERGY PARTNERS LP 3.97%
PAA PLAINS ALL AMER PIPELINE LP 3.96%
SUN SUNOCO LP 3.95%
NBLX NOBLE MIDSTREAM PARTNERS LP 3.91%
MPLX MPLX LP 3.82%
OMP OASIS MIDSTREAM PARTNERS LP 3.80%
ARLP ALLIANCE RESOURCE PARTNERS 3.43%
WES WESTERN MIDSTREAM PARTNERS L 3.37%
BSM BLACK STONE MINERALS LP 3.35%
EQM EQM MIDSTREAM PARTNERS LP 3.34%
GMLP GOLAR LNG PARTNERS LP 3.03%

なおどの銘柄も単体では日本の証券会社からは買うことができません。国内の投資信託を通じてMLPへの投資は可能ですが、販売手数料が3%ほどかかってしまうため、低コストでMLP投資をする場合はZMLPが有用な選択肢となります。

まとめ

いかがでしょう。別に怪しい商品ではなかったですね。思想自体はREITのように法整備された元に成り立つ投資手法ですが、軟調な原油相場ゆえに怪しく感じてしまう利回りとなっていました。

REIT指数もリーマンショック直後は大幅下落し、当時はかなりの利回りでした。結果的にはそのタイミングで購入できた投資家が美味しい思いをできています。

ZMLPも配当利回りが14%超まで上がってきていますが、もし今を底と捉えるのであれば買い場と考えられます。

タケよん!的にはサテライト戦略の一環として若干数持っておくのはアリかと思っています。

さすがにメインにするのは怖いのでポートフォリオの10%以下が目安でしょうか。更に半値まで暴落したとしてもポートフォリオへのダメージは5%ですからね。

  • ZMLPはエネルギー関連事業版のREITであるMLPの指数連動ETF
  • 配当利回りが14%超と魅力的
  • 過去においては原油価格と連動した右肩下がりの軟調なチャート
  • 利回りが高まっている今が買い時かもしれない

ブログ後記

2018年にこのETFを見つけて新規購入以来2019年にも少しですが買い増しをしています。このままMyポートフォリオ内の構成比率を上げすぎない範囲で2020年も買い増しを続けると思います。

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