まいど!タケよん!(@takeyon7)です。
一昨日からTwitterをこの話題で盛り上がっていますね。
楽天投信投資顧問が運用する楽天・バンガード・ファンドシリーズの決算が発表されました。
決算が発表されると期間中の騰落率や基準価格の変動、変動要因などが報告されるのですが、私たちのようなインデックス投資家が気にするところは「費用明細」です。
信託報酬以外の変動費用分などが公開されるため、投資信託の実質コストを知ることができます。
そしてTwitterを…と言うか私のTLを賑わせたのがこの楽天・バンガード・ファンドシリーズの実質コストが高かったと言うのです。
本記事の結論・まとめ
- 楽天・バンガード・ファンドの運用報告書開示によって高コスト投信であることが明らかに
- 楽天VWO、楽天VTが特に高コストだった
- 他社の類似投信の実質コストはもっと安いんだから頑張って欲しい
楽天・バンガード・ファンドの実質コストを見る
開示された運用報告書をもとに楽天・バンガード・ファンドシリーズの実質コストを見ていきます。
各ファンドともに決算日は2018/7/17ですが、設定日がバラバラで丸1年経過していないため、実質コストも対象期間分の日割り計算になっています。
ですのでこれを年率に換算しなおして計算していきます。
計算式は以下です。
この数式で各投信の実質コストを求めていきます。
【楽天VT】楽天・全世界株式インデックス・ファンドの実質コスト
もともと楽天VTの管理費用(信託報酬)は0.2296%とアナウンスされています。
もちろんこの費用には売買委託手数料やその他の監査費用などは含まれていないためこの0.2296%から「若干の」追加費用は発生するのは承知なのですが…
2017/9/29~2018/7/17までの291日間の合計費用は0.304%でした。
これには本家VTの信託報酬である0.10%は含まれていません。
先ほどの数式で計算してみます。
楽天VTの実質コストは0.4813%となりました。
実に証券会社HPに記載されている0.2296%の倍以上の数字です。
さすがに高いですね。費用内訳をみると期間中の売買委託手数料で0.167%(年換算で0.2095%)が高いです。
初回なので運用商品は全額新規購入なのでしょうが、それでもこれだけかかるのでしょうか…
【楽天VTI】楽天・全米株式インデックス・ファンドの実質コスト
アナウンスされている信託報酬部分はわずか0.1696%です。ずいぶんと安いですね。
楽天証券HPより
運用報告書によると期間中の費用合計は0.203%ですので例の数式で計算します。
楽天VTIのの実質コストは0.2946%となりました。楽天VTの結果が衝撃すぎたので安いように見えますが、こちらも売買委託手数料が0.077%(年換算で0.0966%)とそれでも高めの数字です。
【楽天VYM】楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドの実質コスト
楽天VYMとしてアナウンスされている信託報酬部分は0.2096%です。
楽天証券HPより
ですが期間中の費用合計は0.224%ですので例の数式で計算します。
なんと楽天VYMの実質コストは0.5149%ものインデックス投信にしては高コストな結果となってしまいました。
【楽天VWO】楽天・新興国株式インデックス・ファンドの実質コスト
楽天VWOとしてアナウンスされている信託報酬部分は0.2696%です。
楽天証券HPより
ですが期間中の費用合計は0.32%ですので例の数式で計算します。
なんとなんと楽天VWOの実質コストは0.6226%にまで跳ね上がってしまいました。
高すぎやしませんかね?
他社の投信の実質コストもこんなに高い?
楽天・バンガード・ファンドシリーズが年率0.3~0.6%程度であることは分かりましたが競合他社と比較してみましょう。
低コスト投信でお馴染みのeMAXIS Slimシリーズの先進国株式インデックスの場合はたったの0.2%台前半です。
他の投信を見て見ても軒並み0.2%台と格安です。
ブログ後記
楽天投信投資顧問には今後に期待したいと思います。
投信の立ち上がりは初期費用がかさむのでしょうか。
そのあたりは良く分かりませんが、是非とも次回決算時には良い結果を聞かせて欲しいものです。
楽天・バンガード・ファンドの登場で本家バンガードETFは購入するメリットが無くなったのでは?と思っていた矢先にこの結果です。厳密にシミュレートした方がよさそうですね…
ほな、また。
関連記事です。投資信託の信託報酬などの固定コスト以外のコストについて解説した記事です。今回の記事に出てきた売買委託手数料についても解説しています。
先進国株式インデックス投信の実質コストをランキング形式で紹介しています。eMAXIS Slimシリーズは安いですね。