まいど!タケよん!(@takeyon7)です。
ポートフォリオの分散、高利回り化のために不動産ETFの調査を進めています。今回はSSGAが運用する9%弱の高利回りETFであるSPDRダウ・ジョーンズ・インターナショナル・リアル・エステートETF(RWX)について調査してみました。
記事中のデータは全て2020年2月4日時点の数字を使用しています。
本記事の結論・まとめ
- 3割は日本への投資のため日本人には扱いづらいETF
- 利回りは9%弱あるが、一時的な高配当と思われる
- 世界各国への分散投資と言う観点ではメリットも
RWXの特徴
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)が運用する米国を除く先進国、新興国の不動産企業や不動産証券(REIT)に投資するETFです。特徴としては分配金利回りが8.94%(2020年2月4日時点)とかなり高利回りです。ただ、信託報酬は0.59%とそこまで格安とは言えません。
後述しますが、この9%弱の分配金利回りは一時的な数字かと思われます。想定される利回りレンジは4%~5%です。
SPDRダウ・ジョーンズ・インターナショナル・リアル・エステートETF(RWX) | |
RWX基本データ | |
投資対象 | 米国を除く先進国、新興国の不動産企業や不動産証券(REIT) |
対象 インデックス |
ダウ・ジョーンズ・グローバル(除く米国) セレクト・リアル・エステート・セキュリティーズ指数 |
配当利回り | 8.94% |
信託報酬 | 0.59% |
配当月 | 四半期毎(3,6,9,12月) |
構成銘柄数 | 127 |
設定日 | 2006/12/15 |
RWXの構成銘柄
構成銘柄全127銘柄の上位10銘柄がこちらです。上位10銘柄で全体の3割を占めています。米国を除いたETFなので日本、香港、オーストラリア、ドイツと世界各国に分散されています。
日本からも上位には三井不動産や日本ビルファンドなどが含まれています。
ティッカー | 銘柄 | 構成比率 | 利回り |
8801 | 三井不動産 | 4.72% | 1.49% |
823-HK | Link Real Estate Investment Trust | 3.83% | 3.61% |
GMG-AU | Goodman Group | 2.87% | 2.00% |
DWNI-DE | Deutsche Wohnen SE | 2.73% | 2.28% |
SCG-AU | Scentre Group | 2.47% | 4.99% |
SGRO-GB | SEGRO plc | 2.36% | – |
URW-NL | Unibail-Rodamco-Westfield | 2.35% | 8.84% |
8951 | 日本ビルファンド | 2.05% | 2.41% |
GFC-FR | Gecina SA | 1.86% | 3.09% |
8952 | Japan Real Estate Investment Corp. | 1.81% | 2.56% |
構成銘柄上位の配当利回りを見ても9%弱の配当利回りが維持できるETFには到底思えません。
RWXの国別構成比率
国別の構成比率を見て見ると米国を除かれているので世界各国に広く分散されています。が、その中でも割合が一番多いのは日本です。ここがこのETFを米国市場で買い付ける際の最大のデメリットになります。
為替手数料と日本株の購入と比べて割高な外国株式購入手数料を支払って日本の不動産に投資をすることになります。
ただ、この投信のメリットは米国が省かれているので世界各国に幅広く投資が出来る点です。
チャート・トータルリターン
RWXの設定来からのチャートです。投資対象が不動産なのでリーマンショックで大きく落ち混んでいます。利回りが高いので株価だけを見るとリーマンショック前の高値を回復はできておらず、40ドル前後を行ったり来たりしています。
Yahoo Financeより引用
直近1年間の配当金込みチャート
直近1年間のリターンをVEA(米国除く先進国株式)と比較してみました。直近1年間のリターンを見ると株式の方が成績は良く、株式11.1%に対し、不動産9.4%となっています。
その分ボラティリティは不動産の方が低く株式10.9%に対して不動産が8.3%となっています。
ETFreplay.comより
直近3年間の配当金込みチャート
直近3年間のトータルリターンです。年間平均成長率はVEAもRWXもどちらも7.5%です。ただボラティリティではRWXの方が優秀で9.5%にとどまっています。
ETFreplay.comより
設定来からの配当金込みチャート
(ほぼ)設定来となる2007年からのチャートです。リーマンショック直前からのチャートのため、VEAもRWXもすぐに6割程落ち込んでいます。どちらも配当込みではやっとプラスリターンに回復した程度です。
年間平均成長率で見るとVEA2.1%、RWX1.4%とボラティリティだけ大きく、投資妙味が薄いETFに映ります。
ETFreplay.comより
RWXの配当・増配率
配当利回りは9%弱と高いので配当についても着目してみました。年間の配当額推移と四半期ごとの配当を調べて見ました。
RWXの年間配当額の推移
年間配当額は年によって1ドル台から3ドル超までとバラつきがあります。高配当ですが、安定感はありません。2019年は1株当たり3.469ドルと過去最高の配当があったので前途の通り9%弱の配当利回りとなっています。
RWXの最近の配当履歴
四半期ごとの配当の推移です。他のETFと同じように12月期に配当額が多くなる傾向があります。そして何故か2016年12月期の配当が突出して多いです。
理由は分かりませんが2019年12月期の配当も突出して多いです。数年に1回ボーナス配当があるETFくらいに思っておいた方が良いですね。
ブログ後記
分散投資の観点で不動産ETFを調査を続けています。今回調査したRWXの特徴として日本の資産が3割程度含まれている点が気になりました。他国へ分散投資している点はメリットですが、日本への投資比率も高いため、投資効率を考えた際にネックに感じてしまいます。
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高ボラティリティのETFと組み合わせて持ちたいのは低ボラティリティの債券ETFです。
日本株式市場のETFでも良いかも知れません。