まいど!タケよん!(@takeyon7)です。
先日たぱぞうさん(@tapazou29)の記事を見て抱いていた疑問が解消しました。抱いていた疑問とは「個人は海外ETFから配当をもらうと課税されるが、楽天VTIのような投資信託が受け取っている配当金には課税されているのか」です。答えは「投資信託側が受け取る場合は外国税額の10%分だけ課税される」と言うことでした。
日本の配当課税である約20%は個人が受け取るときは課税されて、投信が受け取る時は課税されていないんですね。
詳しくはたぱぞうさんのブログを見て頂ければと思います。
つまり楽天バンガードシリーズは税的メリットがある!?
これが気になりました。例えばVTIを買って10万円分の分配金を受け取ったとします。個人の場合は以下の計算になります。
- 租税条約で定められた10%が源泉徴収されます。
- 更に日本での課税分20.315%が課されます。
二重で課税されることになるので受け取ることができる配当金は額面の71.7165%です。3割近くも税金で持って行かれることになります。確定申告を行えば外国税額控除が使えるので10%分は取り戻すことができます(控除額に上限はあります)
これが投資信託ならどうなるでしょう。楽天バンガードシリーズ側になったと思って考えると以下のようになります。
- 租税条約で定められた10%が源泉徴収されます。
- 日本国内では個人とは税方が異なるため、課税されない。
個人と投資信託の税額計算の違い
違いをまとめると以下のようになります。
種類 | 個人 | 投資信託 |
米国との租税条約分 10% |
源泉徴収される 外国税額控除あり |
源泉徴収される 外国税額控除なし |
所得税、住民税、復興特別所得税 合計20.315% |
源泉徴収される | 非課税 (*1) |
このように税制面を鑑みると投資信託経由で海外ETFを所有した場合は税制面でメリットがあります。
(*1)ただし投資信託の解約時には値上がり益に対して20.315%課税されます。
つまり20%まるまる得する訳ではなく支払いタイミングが後ろに繰り延べられるという事になります。配当に対して課税されていた分を投資に回すことによって更なるインカムとキャピタルが狙える点が最大のメリットとなります。
配当再投資!海外ETFと投資信託でお得なのはどっち?
となると気になるのは配当金再投資を前提とした時に直接海外ETFを保有するのと、投資信託の信託報酬を支払ってでもファンド経由で海外ETFを保有した場合とでどっちがお得なの?って話です。
そこそこ配当があり、値上がりも狙える楽天VYMを例に、計算してみました。
前提となる共通の条件は以下のとおりです。
- 軍資金は100万円
- 分配利回りは3%
- 分配金は再投資
- 株価成長率は毎年3%
- 10年間運用
- 1ドル100円固定
それ以外の条件は以下のとおりです。
条件項目 | 本家VYM | 楽天VYM |
購入手数料 | 0.45%+為替25銭 | なし |
信託報酬 | 0.06% | 0.192%(本家VYM分0.06%含む) |
売却時課税 | 20.315% | 20.315% |
売却手数料 | 0.45%+為替25銭 | なし |
配当課税 | 20% (外国税額控除利用) |
10% |
本家VYMは信託報酬の二重コストを避けられる分、毎年かかるコストは安いです。その分、為替手数料や売買手数料がのしかかってきます。二重コストを嫌って本家VYMに投資をするメリットがどの程度あるかが見ものですね。
ただ、今回の最大のポイントは3%と仮定した分配金利回りのうち本家VYMは20%課税されたのちに再投資しますが、楽天VYMは10%だけ課税されたのちに再投資をしてしている点です。数字上は表れませんが、手動で再投資となる本家VYMより内部的に自動で再投資されている楽天VYMの方が楽ですね。
検証結果:楽天VYMの方がお得だった!
結果のグラフは以下のとおりです。本家VYMよりも楽天VYMの方がトータルリターンで少しだけ差が出る結果となりました。20年間の運用で両者間で3.7%のリターンの差が出ました。この数字をどう捉えるかですね。ちなみに20年間リターンは分配金利回りが2%の場合で1.97%、1%で0.21%となります。
もしも本家ETFも分配金を出さない場合は本家の方が好成績になります。
ただ、大前提として本家VYMへのトラッキングエラーが無いことを前提としていることはお含みおきください。
結論!高分配利回りの海外ETFは課税繰り延べ効果の恩恵を受ける国内投信がお得!
高分配利回りの海外ETFに投資をする場合は課税繰り延べ効果を期待して分配金を出さないタイプの投資信託経由で投資をするとお得になることが分かりました。
条件は今回のように「分配金利回りが高いこと」、「投信の信託報酬など二重コスト部分が安価であること」が利用価値のある無分配型投信の魅力と言えそうです。
ほなまた。
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