インバウンド回復局面&金利上昇局面ならどのホテルREIT?

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珍しくJ-REITに関する記事を書いてみます。優待一辺倒と思われがちかもしれませんがJ-REITも好きです。特にコロナショック直後はJ-REIT(の短期売買で)でかなり美味しい思いをさせていただきました。

昨年末に日銀が長期金利の変動幅を拡大と言う実質利上げに踏み切ったことで株式相場も大きな影響を受けました。具体的には銀行などのお金を貸す立場の株価は上がり、借り入れの多い不動産セクターの銘柄は下落しました。

そこでJ-REITの今後が気になりましたのでNAV倍率(≒PBR)が1.0未満の銘柄に絞って調べてみました。

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主要ホテルREITのデータ

決算資料、月次報告書からデータを集めてきました。
やはり気になるのはこの中でNAV倍率が低くて利回りが頭一つ飛びぬけている大江戸温泉リートです。

そもそも固定金利比率100%かつ有利子負債比率も3割未満とこの数字から見ると低リスクに分類されるのではないでしょうか。

調べたものの、REIT保有の目的は高利回りを求める人が多いと思いますが、利回り2%台のREITに投資妙味を感じることができません。

コード 投資法人名 利回り NAV倍率 客室稼働率
(2022年11月)
固定金利
比率
有利子負債
比率
平均
築年数
3463 いちごホテルリート 2.70% 0.81 86.70% 70.7% 42.9% 27.6
3472 大江戸温泉リート 4.54% 0.55 85.2% 100% 29.6% 41.1
3478 森トラスト・ホテルリート 2.04% 0.95 不明 89.9% 48.9% 16.1
8963 インヴィンシブル 2.58% 0.96 79.30% 78.3% 44.9% 26.1

ただ大江戸温泉リートだけ利回りが高い点は分配金低下のリスクがあると考えた方が良いでしょう。

NAV倍率はかなり低く、全REITの中でぶっちぎりの1位ですので投資口価格の下落の下支えになる可能性はあるかと思います。

旗艦物件のレオマワールドの客室。いいホテルでしたけどね。

固定賃料比率はあえて見なかった理由

中国からの訪日客が増えるかがホテル系REITの行方を左右しそうです。隔離措置を撤廃したり、コロナ感染者増加によって臨時的に水際対策を強化しようとしたり依然不透明な状況が続いています。

REITには固定賃料、変動賃料なるものがあり、コロナ渦では空室が多くても賃料収入が望める固定賃料が注目され、アフターコロナが意識されるとより多くの収入増が望める変動賃料が注目されています。

が、コロナ渦の終わりが不透明な昨今、固定賃料比率が多ければ安心か?と言われるとそうでもありません。REIT側がテナントの賃料減免を受け入れたりするパターンもあるので固定賃料比率が例え100%だったとしても収益が悪化する可能性があるからです。

固定賃料比率、固定賃料の減免リスクを読み切るのは難しいので今回は敢えて注目しませんでした。

現に先の大江戸温泉リートも保有物件13物件のうち11物件の固定賃料の減免を2022年11月に発表しています(しかも残りの2物件は売却)。

敢えてホテルREITに投資する理由が見つからなかった…

今回の調査で一瞬大江戸温泉REITの数字が気になりましたが、どう考えてもコロナ渦前の分配金水準には戻らないと思います。2019年は14物件のポートフォリオでしたが今は13物件です(しかも2物件は売却予定)

有利子負債比率は40%まで上げて物件を新たに取得する可能性はありますがまだしばらく時間がかかりそうですね。

そうすると「いや、敢えて今ホテルリートじゃなくても良いんじゃね?」となります。

商業施設リートや他の高配当株式の方が良いのかも…

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