前半からの続きです。前回はVYMとVIGの重複上位10銘柄の最近1年間のパフォーマンスを比較しています。まだ読んでいない人は先にこの記事から読んでください。
さて、今度は5年間のパフォーマンスも見ていきます。
直近5年のパフォーマンス比較
次に直近5年のVYM,VIGのチャートです。ほぼ似たようなチャートの形、パフォーマンスとなりました。
Yahoo Financeより
VYMが49.01%、VIGが50.32%とほぼ同じですね。検証期間を長く設定すると結果が収束するのでしょう。
次に重複10銘柄のパフォーマンスを加えて比較してみます。上位2銘柄のチャートが目を引きますね。
Yahoo Financeより
パフォーマンストップはLockheed Martin Corp.(LMT)で250%、2位のMicrosoft Corp.(MSFT)も210%とどちらも素晴らしい成績です。
最下位は-28.31%とInternational Business Machines Corp.(IBM)が芳しくないです。
重複10銘柄の成績を平均すると61.58%の上昇でした。
重複上位10銘柄の平均>>VIG>VYMといったところですね。
配当利回りの比較
ETFの特性上無視してはならないのが配当利回りです。ETFと10銘柄平均、個別銘柄の利回りを比較してみました。
銘柄(ティッカー) | 配当利回り |
米国高配当株式ETF(VYM) | 2.94% |
米国増配株式ETF(VIG) | 1.85% |
重複10銘柄平均 | 3.01% |
Microsoft Corp.(MSFT) | 1.86% |
Johnson & Johnson(JNJ) | 2.62% |
Procter & Gamble Co.(PG) | 3.52% |
Coca-Cola Co.(KO) | 3.55% |
PepsiCo Inc.(PEP) | 2.95% |
International Business Machines Corp.(IBM) |
3.98% |
Wal-Mart Stores Inc.(WMT) | 2.40% |
QUALCOMM Inc.(QCOM) | 4.29% |
3M Co.(MMM) | 2.56% |
Lockheed Martin Corp.(LMT) | 2.39% |
配当利回りは重複上位10銘柄の平均>VYM>VIG
重複上位10銘柄は高配当を集めたVYMよりも高利回りとなりました。それでいて連続10年増配の条件もクリアしているので厳選優良銘柄を集めた感がありますね。
結果
仮説「高配当ETFであるVYM、増配ETFのVIGの両ETFに組み込まれているような銘柄は両ETFを凌駕するほどのパフォーマンスを残しているのではないか。」は正しかったと言えるでしょう。
課題
ただ、この仮説の検証を進めていく中でいくつか課題も見えてきました。良い面だけでなく悪い面も書いていきます。このブログは何かの広告ではないですから。
(課題1.)分散効果が薄い?
上位10銘柄としたことで分散効果が薄れます。パフォーマンスではLockheed Martin Corp.(LMT)とMicrosoft Corp.(MSFT)の2銘柄が成績をけん引していますし、配当利回りではQUALCOMM Inc.(QCOM)、International Business Machines Corp.(IBM)が4%前後で数字の底上げが行われています。
このような優等生に変化(不調)があった時の影響が大きいことが懸念されます。
(課題2.いつから重複銘柄?)
今回は現時点での重複銘柄を調べ、5年遡ってパフォーマンス比較をしました。果たして5年前はETFに組み込まれていたのか?すみません、そこまで調べることができませんでした。
まとめ
- VYMとVIGの構成銘柄で重複している銘柄は優秀な企業が多い。
- 重複銘柄上位10銘柄を買えばVIGとVYMに勝る可能性の方が高い。
- ただし10銘柄全てが優秀なわけではない。
いかがでしたでしょうか。米国株投資家の皆さん、これから米国株投資を始めたい方の参考になれば幸いです。