人は不景気になったら一日中家の電気消しますか?身体を洗わなくなりますか?スーパーでの買い物をやめますか?風邪をひいても薬を我慢しますか?赤ちゃんの紙おむつの交換を止めますか?
生活必需品セクターのような景気に左右されずに売上、利益を上げることができる事業への投資を考えてみました。
その企業群に分散投資できるETFがこのVDC(米国生活必需品セクターETF)です。
特徴
VDCはMSCI USインベスタブル・マーケット・生活必需品25/50インデックスへの連動を目指すETFです。
投資対象銘柄の規模は小型株~大型株で、フルインベストメントを維持する投資方針です。
経費率も0.10%と安いです。バンガードなど、米国株ETFは経費率が低くていいですね。
構成銘柄
構成銘柄の組み入れ比率トップ10と個別銘柄ごとの配当利回りを調べてみました。
ティッカー | 銘柄 | 比率 | 配当 利回り |
PG | Procter & Gamble Co. | 11.10% | 3.94% |
KO | Coca-Cola Co. | 8.70% | 3.60% |
PEP | PepsiCo Inc. | 8.00% | 3.17% |
PM | Philip Morris International Inc. | 7.70% | 5.18% |
WMT | Wal-Mart Stores Inc. | 6.80% | 2.38% |
MO | Altria Group Inc. | 4.70% | 4.99% |
COST | Costco Wholesale Corp. | 4.00% | 1.16% |
CVS | CVS Health Corp. | 3.60% | 2.86% |
MDLZ | Mondelez International Inc. | 3.30% | 2.20% |
WBA | Walgreens Boots Alliance Inc. | 3.20% | 2.38% |
合計 | 61.10% |
構成比率トップはP&Gでした。家の中のP&G製品を見てみてもアリエール、JOY、ファブリーズ、GilletteなどP&Gだらけです。
VDCは102銘柄で構成されていますが、上位10銘柄で全体の6割を占めています。
こうやって並べてみるとディフェンシブ銘柄はキャピタルゲインよりも高配当銘柄や連続増配銘柄が多いですね。
業種セクター別構成比率
構成銘柄を業種セクター別で見てみました。
セクター | 比率 |
家庭用品 | 19.10% |
清涼飲料 | 19.10% |
包装食品・肉 | 17.40% |
タバコ | 12.60% |
スーパーマーケット | 11.00% |
薬品小売り | 7.00% |
パーソナル用品 | 3.10% |
蒸留酒・ワイン | 2.80% |
農産物 | 2.60% |
食品流通 | 2.40% |
身の回りのものに関連するものが多いですね。ちなみにS&P500は情報・通信が24.9%でトップですが、VDCには含まれていない点で潔いです。
株価・チャート
ディフェンシブ銘柄は成熟企業が多いため、キャピタルゲインを狙いに行くETFではありません。しかし売上、利益は継続して積み上げることができる企業の集合体であるため株価は右肩上がりに成長しています。
ここ5年のチャートです。S&P500よりもアンダーパフォームしています。
Google Financeより
しかしVDCが設定された2004年からのチャートを見てみるとVDCのほうがアウトパフォームしています。
Google Financeより
成長率ではS&P500が優れ、暴落時はVDCのようなディフェンシブ銘柄がボラティリティが低いことが分かります。
なので今後、アメリカ市場が暴落すると予想する場合はVDCを、まだまだ成長を続けると予想する場合はS&P500に連動するIVVのようなETFが選択肢になります。
配当・増配率
直近10年間の配当金、増配率の推移です。配当金は右肩上がりに堅調に推移しています。
投資対象の性質からVIG(バンガード米国増配株式ETF)にも似ていますね。
過去10年では2012、2014年と2回だけ減配(それもほんの少しだけですが)しています。2016年の増配率が94%なのがすごいですね。
まとめ
- VDCは安定志向のETF
- 安定してインカムゲインを望む人におススメ
- 近い将来に市場暴落を予想する人におススメ
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