なおセクター別でいうとエネルギーセクターETF(3.18%)よりも配当利回りが高いのはバンガード・米国電気通信サービス・セクターETF(4.15%)と、バンガード・米国公益事業セクターETF(4.14%)、バンガード・米国生活必需品セクターETF(3.24%)があります。
今回はそんなVDEについて調べて見ました。
VDEの特徴
VDEとは世界第2位の運用資産額を誇るバンガード社が運用するETFです。正式名称は「バンガード・米国エネルギー・セクターETF」です。
目標とするベンチマークはMSCI USインベスタブル・マーケット・エネルギー25/50インデックスです。このインデックスは米国のエネルギー・セクターの大型株、中型株、小型株の全142銘柄で構成されています。
エネルギーセクターを対象としているので、構成銘柄の企業は石油等掘削装置・その他エネルギー関連機器の建設またはサービス提供、あるいは石油・ガス製品の探査・開発・販売・精製または輸送などの事業を行っている企業です
気になる経費率は0.10%です。バンガードのETFは総じて信託報酬が安いのが良いですね。
産業サブグループ別構成比率
投資対象銘柄の事業を更に細かいサブグループ別にみると総合石油・ガス事業を行う企業が40%と半数弱を占めています。このサブグループに属するのはエクソンモービル(XOM)、シェブロン(CVX)、オクシデンタル・ペトロリウム(OXY)ですね。
産業サブグループ | 構成比 |
総合石油・ガス | 40.0% |
石油・ガス探査・開発 | 27.7% |
石油・ガス装置・サービス | 13.3% |
石油・ガス精製・販売 | 10.0% |
石油・ガス貯蔵・輸送 | 7.1% |
石油・ガス掘削 | 1.7% |
石炭・消耗燃料 | 0.2% |
次いで石油・ガス探査・開発事業を行うのはコノコフィリップス(COP)やEOG Resources(EOG)などがあります。
構成銘柄
VDEは全142銘柄で構成されています。
ティッカー | 銘柄 | 構成比率 | 配当利回 |
XOM | Exxon Mobil Corporation | 21.6% | 4.0% |
CVX | Chevron Corporation | 14.9% | 3.5% |
SLB | Schlumberger Limited | 5.9% | 2.7% |
COP | ConocoPhillips | 4.2% | 1.6% |
EOG | EOG Resources Inc | 4.0% | 0.6% |
OXY | Occidental Petroleum Corporation | 3.6% | 3.6% |
PSX | Phillips 66 | 2.8% | 2.7% |
HAL | Halliburton Company | 2.7% | 1.3% |
VLO | Valero Energy Corporation | 2.6% | 2.7% |
KMI | Kinder Morgan Inc | 2.3% | 5.0% |
1位はエクソンモービルですね。VDEの2割強を総合エネルギー企業の大手であるエクソンモービルが占めています。こう並べてみると中~高配当企業が多いのが分かります。
株価・チャート
直近1年間、3年、設定来である2004年からのトータルリターンを先進国トップのアメリカ株式を投資対象としたVTIと比較していきます。
まずは1年間での比較です。VDE(緑)の比較対象としてメリカ株式に広く投資するのVTI(青)を並べています。ここ1年ではVDE(緑)の方がパフォーマンスが良いですね。
トータルリターンはVTIの17.5%に対し、VDEは20.4%です。どちらも素晴らしい成績ですね。直近のアメリカの成長は凄まじいですね。
ETFreplay.comより
次は3年間での比較です。直近3年間はVTI(青)より劣る結果になっています。VDEの5.1%に対し、VTIは34.7%ですから7倍近いパフォーマンスの差が出てしまっています。あまり芳しくないです。と言うかVTI(青)が凄すぎるとも言えます。
ETFreplay.comより
最後にVDE(緑)の設定来となる2004年からのチャートです。2015年ごろまではVDE(緑)もいい成績を残していましたが2016年ごろにVTI(青)に逆転を許してからはまだ追いつけていないです。
ETFreplay.comより
VTI(青)は241.1%のリターンに対し、VDE(緑)は175.4%です。ちなみにリーマンショック並に落ち込んでいる2015年ごろは石油価格の暴落があった影響ですね。ボラティリティは高めになっており、VTI(青)の18.7%に対しVDEは28.3%です。
つまりVDEが投資対象とするエネルギーセクターは石油価格の影響を大きく受けるETFと言えます。石油価格が上昇すると見込む場合はキャピタルも狙えるETFですね。
配当・増配率
過去の配当実績は下図のとおりです。現在の株価に対する配当利回りは3.18%です。3年ほど前までは配当も微増を継続していました。2016年度に株価とは逆行する大幅な増配を行った後にその反動から2017年は減配となっています。
今期は既に第3四半期時点で$2.29の配当を出しており、このままいくと約20%程度の増配となると思われます。
まとめ
- VDEは高配当なエネルギーセクター内に分散投資ができる
- エネルギーセクターはボラティリティが高い
- 原油価格の上昇局面には強みを発揮
関連記事です。バンガードの高配当ETFと言えばVYM!だけど利回りは2.90%とVDEの方が高利回りだったりします。