今やアメリカを代表するアマゾンやグーグルだって最初は小型株(スモール)でした。そんなアメリカンドリームを掴むべくアメリカの小型成長株へリスクを抑えて投資をする場合、このVBK(米国スモールキャップ・グロースETF)という選択肢があります。
VBKの特徴
VBKはCRSP USスモールキャップ・グロース・インデックスへの連動を目指すETFです。
投資対象銘柄は小型成長株で、フルインベストメントを維持する投資方針です。
経費率も0.07%と安いです。小型成長株にまんべんなく投資ができて経費率0.07%というのは素晴らしいですね。
構成銘柄
VBKは679銘柄で構成されています。構成銘柄の組み入れ比率トップ10と前年度比のEPS上昇率を整理してみました。
ティッカー | 銘柄 | 構成比率 | EPS上昇率(前年度比) |
FANG | Diamondback Energy Inc. | 0.7% | 265% |
SIVB | SVB Financial Group | 0.7% | 90% |
HDS | HD Supply Holdings Inc. | 0.6% | -119% |
NFX | Newfield Exploration Co. | 0.6% | -41% |
SBNY | Signature Bank | 0.6% | -75% |
DPZ | Domino’s Pizza Inc. | 0.6% | 59% |
MIDD | Middleby Corp. | 0.5% | -5% |
CDNS | Cadence Design Systems Inc. | 0.5% | 4% |
REG | Regency Centers Corp. | 0.5% | (*1) |
AOS | AO Smith Corp. | 0.5% | 14% |
(*1)Regency Centers Corp.は今期、前期と赤字のため算出不可
構成比率上位10銘柄だけでは全体の5.8%にすぎません。小型株らしくボラティリティの高い銘柄が多いので銘柄数を増やしてリスク分散を図っています。
その分、大当たり銘柄が含まれていても爆発力もマイルドな値動きになってしまいます。
なお上記10銘柄のうち楽天証券で個別銘柄として購入可能なのは HD Supply Holdings(HDS)、 Cadence Design Systems(CDNS)、 Regency Centers(REG)、 AO Smith(AOS)の4銘柄のみです。
ちなみにタケよん!が名前を知っていた企業はDomino’s Pizzaだけでした。
懸念点としてはグロース株でも小型株を投資対象としているため、次世代のFAANGのような大化け銘柄が含まれていたとしても中型株まで成長した時点で投資対象から外れてしまいます。
業種セクター別構成比率
構成銘柄を業種セクター別で見てみました。特筆すべきは資本財の構成比率の高さですね。S&P500だと10%程度ですので倍程度の差があります。逆にS&P500の構成比率トップはテクノロジーで24%程度ありますが、VBKでは15.9%しかありません。
セクター | 構成比 |
資本財 | 21.5% |
金融 | 17.8% |
ヘルスケア | 16.5% |
テクノロジー | 15.9% |
消費者サービス | 12.5% |
消費財 | 7.6% |
石油・ガス | 5.5% |
素材 | 2.0% |
通信サービス | 0.4% |
公益 | 0.3% |
米国株で急成長を遂げた銘柄と言えばFAANGのようなテクノロジーセクターに属する銘柄ですが、VBKの構成比率はテクノロジーは少なめです。
株価・チャート
スモールキャップグロースの場合、インカムゲインに期待するのではなく、最大限のキャピタルゲインを狙いに行くETFと言えます。
ここ5年のチャートです。結果だけ見るとほぼ差が無いと言えます。ただ、2016年ごろの落ち込み方はVBKのほうが激しいです。やはりチャートからもボラティリティの高さが見て取れます。
Google Financeより
VBKが設定された2004年からのチャートを見てみるとVBKのほうが大きくアウトパフォームしています。
Google Financeより
リーマンショックの暴落から生き残った小型成長株の回復力は素晴らしく、強烈なパフォーマンスを残していることが分かります。
なので今後、アメリカ市場が暴落を確認した後に仕込むならVBKは良い選択肢になるかもしれません。
暴落の終了タイミングを見極めるのが難しいですが…
配当・増配率
あまり配当に期待するETFではありませんが、四半期毎に分配金が出ますのでその推移も見てみました。
配当金は右肩上がりですが、リーマンショック後の増配率は0%~100%オーバーと変動が激しいです。
予想通りですがあまり安定的な配当を求めるETFではないことが分かります。
まとめ
- VBKはキャピタル狙いのETF
- 株価暴落後の仕込みにおススメ
- 日本から個別に購入できない小型株への投資ができる
関連記事です。アマゾンやグーグルのような大型のグロース株へはVIGで投資が可能です。