まいど!タケよん!(@takeyon7)です。
米国の債券投資なら手堅く3%の利回りを狙える。そう思っていませんか?
もっと狙える可能性があります。長期社債への投資と言う債券の中でもリスキーなジャンルになりますがETFの配当利回りが4.5%程度のものがあります。
そこで同じ米国社債であっても、短期社債ETFのVCSH,中期社債ETFのVCIT,長期社債ETFのVCLTを比較してデュレーションの違いによって利回りやトータルリターン、リスクへがどの程度変わってくるかを調べてみました。
そもそもデュレーションとは何か
デュレーションを解説しておくと、債券の場合は満期までの期間の平均と覚えておくと良いです。
債券ETFの場合、運用する債券の満期までの期間の加重平均となります。
例えば残存期間が10年と5年の社債をそれぞれ1万ドル、4万ドル持っていたとすればデュレーション期間は6年となります。
※計算式:(10年*1万ドル+5年*4万ドル)/(1万ドル+4万ドル)=6年
VCSH,VCIT,VCLTの特徴を比較
VCSH,VCIT,VCLTの投資対象と対象インデックスは?
各ETFの違いはデュレーションの違いです。それぞれ1-3年、3-10年、10年超と満期までの期間よって分けられています。
もちろん、債券の性質としては残存期間が長いほどリスクとリターンが高くなります。
ETF | 投資対象 | 対象インデックス |
VCSH(短期) | 残存期間が1~3年の 米ドル建て社債 |
ブルームバーグ・バークレイズ 米国社債(1-5年)インデックス |
VCIT(中期) | 残存期間が3~10年の 米ドル建て社債 |
ブルームバーグ・バークレイズ 米国社債(5-10年)インデックス |
VCLT(長期) | 残存期間が10年超の 米ドル建て社債 |
ブルームバーグ・バークレイズ 米国社債(10年超)インデックス |
VCSH,VCIT,VCLTの配当利回りは?
配当利回りはデュレーション期間の長さに応じて高くなっていき、短期の場合で2.5%台ですが、長期になると4.5%台まで向上します。
ETF | 配当利回り |
VCSH(短期) | 2.53% |
VCIT(中期) | 3.54% |
VCLT(長期) | 4.50% |
VCSH,VCIT,VCLTの経費率は?
経費率は一律0.07%です。各ETFで差はありません。
債券ETFの場合、株式程のリターンは期待できないため、経費率の低さは投資する上で重要になってきます。
とりわけVCSHは配当利回りに対する経費率の割合が高くなってしまう点は注意が必要です。
その意味ではVCLTは利回りに対する経費率の割合は低めなので、相対的にはVCLTに軍配が上がると言えます。
ETF | 経費率 |
VCSH(短期) | 0.07% |
VCIT(中期) | |
VCLT(長期) |
VCSH,VCIT,VCLTの構成銘柄数は?
構成銘柄数によって分散度合いが図れます。社債の場合はどれだけの企業への分散が図れているかによってリスク分散度が異なります。
いずれのデュレーションのETFも2,000前後の債券に分散できているため、十分にリスク分散ができていると言えるでしょう。
ETF | 構成銘柄数 |
VCSH(短期) | 2197 |
VCIT(中期) | 1729 |
VCLT(長期) | 1826 |
VCSH,VCIT,VCLTのトータルリターンを比較
デュレーション期間異なる米国社債ETFによってトータルリターンがどの程度変わってくるかを調べて見ました。
やはりデュレーション期間が長いほど、リスクもリターンも大きくなりますが、VCLTはリターンの伸び以上にリスクが大きいように思います。
ただそれでも大きなリターンが期待できる長期社債は魅力的です。
VCSH,VCIT,VCLTの直近1年間のトータルリターン
ここ1年間は米国の金利上昇のせいで、どのETFもトータルリターンはマイナスです。
マイナス幅がデュレーション期間によって0%~5.5%までと異なります。
ボラティリティにも差が出ています。VCSHは1%未満なのに対し、VCLTは6.9%もあります。
VCSH,VCIT,VCLTの直近3年間のトータルリターン
過去3年のリターンではいずれのデュレーションのETFもプラスに転じています。
VCSHの4.3%からVCLTに至っては12.7%とVCSHの3倍程度のリターンがあります。
ただ、ボラティリティに着目すると期間が長いほど高くなっています。リターンは長期は短期の3倍程度でしたが、ボラティリティは5倍弱もあります。
VCSH,VCIT,VCLTの設定来からのトータルリターン
最後に設定来となる2009年からのチャートです。
特にVCLTのリターンは72.1%と年間平均で7.2%もあるのはかなり魅力的ですね。
気になるのはVCSHとVCLTを比較した時にリターンは約2.8倍に対し、ボラティリティは5倍もある点です。
つまりVCLTはリターンに対する値幅リスクが大きいと思っておいた方がよさそうです。
関連記事です。米社債権に満遍なく投資できるBNDと言うETFの紹介記事です。