米国は利上げ局面でFFレート(フェデラル・ファンド金利)が2%に到達しようかと言う状況です。
リーマンショック前の5%台からするとまだ道半ばですがトレンドとしては利上げ局面です。10年債利回りも3%に到達するかが注目を浴びています。
債券のリターンが改善してくるとリスクを取る株式投資よりも安定してそこそこのリターンをもたらしてくれる債券に心が動かされます。
そこで米国債券市場への投資の一手段となりうるETFのiシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF(AGG)を紹介します。
本記事の結論・まとめ
- AGGはアメリカの国債やAaa格付けの安全な債券に投資するETF
- 値動きは非常にマイルドで低ボラティリティなチャート
- 一株当たり毎月0.22ドルの安定した配当を長期継続
- 安定配当でインカム計画が立てやすく年金づくりに好適
iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF(AGG)とは
投資対象が米国の投資適格債券のETFです。米国株式市場に上場しているため購入のハードルが低く、換金性に優れています。そして信託報酬も投信などより低コストです。
AGG基本データ | |
投資対象 | 米国の投資適格債券 |
対象インデックス | ブルームバーグ・バークレイズ 米国総合 インデックス |
配当利回り | 2.49% |
経費率 | 0.04% |
設定日 | 2003/9/22 |
経費率も0.04%と格安です。
各社しのぎを削る米国ETF市場ですので購入後の手数料は格安ですね。ネックは0.5%程度の購入時手数料でしょうか。楽天証券でNISAなら無料にできますね。
格付別構成比率
信用格付けAaaクラスのものが72%と大半を占めています。国債が占める割合は38%程度です。
格付 | 構成比 |
Aaa | 72.61% |
Aa | 2.79% |
A | 10.91% |
Bbb | 13.36% |
株価・チャート
iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF(AGG)と米国株式市場全体に投資するVTIとを比較しています。
米国の債券VS株式のような比較ですね。投資対象が大きく異なるのでチャートの特徴も差が出ています。
AGG株価チャート(直近1年間)
直近1年間のチャート比較です。VTIは2018年に入ってから一波乱ありましたがS&P500が最高値を更新しているようにVTIも最高値更新と非常に好調です。
一方でAGGはあまり値動きもなく-1.3%とあまりパッとしません。
ETFreplay.comより
2016年より続く米国債券の利回りが上昇基調であるため株価(債券価格)は下落しています。
AGG株価チャート(直近3年間)
3年間のチャートです。先ほど同様、右肩上がりのVTIと横ばいのAGGと言う形です。
ETFreplay.comより
AGGは3年間で4.9%のリターンです。
AGG株価チャート(設定来)
比較対象のAGGが設定された2003年からのチャートです。
特筆すべきはリーマンショック時にもAGGは値崩れせず、抜群の安定感を見せています。
一方で株式ETFであるVTIはリーマンショック時には大きく落ち込んでいます。
ETFreplay.comより
AGGへ投資するメリットはこの安定感ありますね。大きなリターンこそ望めませんが、不況に陥った時も資産価値の下落を食い止めてくれる存在となります。
2003年からの15年間で73.6%のリターンです。この安定感でこれだけのリターンをもたらしてくれると頼もしいですね。
分配・配当の推移
配当額は減少傾向です。リーマンショック前に最大5ドル弱あった配当年額が3ドルを切る水準まで下がっています。
最近では2013年からは年額2.5ドルの配当を継続しており、2018年も年額2.5ドルのペースで配当を続けています。
また、AGGは毎月配当で配当額も約0.22ドルとバラつきが無く、非常に安定している事から自分年金づくりのように安定した配当を受け取り続けたい方に向くETFと言えます。
直近の株価に対する配当利回りは2.49%となっています。
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米国債券ETFのライバルはバンガード社のBNDです。
更に安全性を高めるなら国内債券の投資信託が選択肢となります。