まいど!タケよん!(@takeyon7)です。
国内ではREIT市場が健闘した2018年でした。健闘したと言っても下がった株式に比べて「あまり下がらなかった」だけですが。
参考記事です。2018年の資産クラス別のリターンをまとめた記事です。

目次
本記事の結論・まとめ
- IYRひとつで米国のREITにまとめて投資が可能
- 配当利回りは3.13%と実はJ-REITより低利回り
- 配当込みの年間平均成長率は9.2%と優れたトータルリターン
- リーマンショックのような金融危機時の高ボラティリティに注意
IYRの特徴
IYRは世界最大の資産運用会社であるブラックロック社が運用するETFです。投資対象は米国のREITです。良く分からない外国の個別REITを買うよりもETFでまとめて保有しておくと価格変動リスクも抑えられて安心ですね。
連動目標とするインデックスはダウ・ジョーンズ米国不動産指数を採用しています。この指数は米国市場の不動産セクター銘柄で構成されており、更に細かく分類するとホテル系のリートや住宅、オフィス、商業施設などの不動産を対象としたリートが含まれます。
配当利回りは3.13%です。日本のREITの平均分配金利回りは3.99%なので実は米国REITの方が利回りで言うと低いことになります。これは意外ですね。
またIYRの信託報酬は0.43%と他の激安米国株式ETFなどと比べると割高です。しかし米国不動産ETFとなるとこの程度の信託報酬は必要になってきます。
iシェアーズ米国不動産ETF(IYR) | |
IYR基本データ | |
投資対象 | 米国の不動産関連業(開発・管理など) の株式、およびREIT(不動産投資信託) |
対象 インデックス | ダウ・ジョーンズ米国不動産指数 |
配当利回り | 3.13% |
信託報酬 | 0.43% |
配当月 | 四半期毎(3,6,9,12月) |
構成銘柄数 | 114 |
設定日 | 2000/6/12 |
IYRの構成銘柄
IYRは全114銘柄で構成されており、その上位10銘柄がこちらです。対象インデックスは時価総額での加重平均型のため、構成銘柄上位に偏りがあり、上位10銘柄だけで36%を占めています。
構成銘柄ごとの配当利回りには偏りがあります。J-REITの場合は少なくとも3%近くの利回りがあるのに対し、米国REITでは構成比率1位のAMTのように1%台のREITがあるなど、配当利回りに関して言えばバラバラです。
ティッカー | 銘柄 | 構成比率 | 配当利回 |
AMT | AMERICAN TOWER REIT CORP | 7.07% | 1.89% |
SPG | SIMON PROPERTY GROUP REIT INC | 5.12% | 4.47% |
CCI | CROWN CASTLE INTERNATIONAL REIT CO | 4.50% | 3.75% |
PLD | PROLOGIS REIT INC | 4.05% | 2.70% |
EQIX | EQUINIX REIT INC | 3.06% | 2.34% |
PSA | PUBLIC STORAGE REIT | 2.81% | 3.85% |
WELL | WELLTOWER INC | 2.63% | 4.48% |
AVB | AVALONBAY COMMUNITIES REIT INC | 2.45% | 3.10% |
EQR | EQUITY RESIDENTIAL REIT | 2.44% | 2.95% |
DLR | DIGITAL REALTY TRUST REIT INC | 2.14% | 3.51% |
IYRのセクター別構成比率
チャート・トータルリターン
IYRの10年来チャートです。ちょうどリーマンショック後からのチャートになりますが、なだらかな右肩上がりです。昨今はやや上昇ペースが鈍化しているようにも見えます。
なお、リーマンショック前の水準では90ドル超の株価であったため、まだリーマンショック前の株価水準まで戻していないことになります。ただ配当利回りが今でも3%超、過去には5%近くあったため、配当込みで換算するとリーマンショック前の水準は超えています。
参考:東証REIT指数のチャート
上記でJ-REITより配当利回りが低いと書きましたが、比較のために東証REIT指数の推移を見て見ます。同じくリーマンショック後の推移ですが2010年比で倍近くまで上昇しています。上昇率を見ればIYRとそん色ありません。
※注意:下図は東証REIT指数のチャートです
SBI証券より
直近1年間の配当金込みチャート
直近1年間のリターンをVTIと比較してみました。不動産と株式の比較の格好ですね。直近1年間ではVTI(株式)の5.2%と比較してもIYR(不動産)が19.4%と大きく上げています。
ETFreplay.comより
直近3年間の配当金込みチャート
直近3年間の配当金込みのチャートです。ここ3年では米国株式の調子がよく、VTIの年間平均成長率は16.3%でした。対してIYR(不動産)は11.7%です。十分立派な数字ですが。
ETFreplay.comより
設定来からの配当金込みチャート
2001年からのチャートです。年間平均成長率ではVTI(株式)よりもIYR(不動産)の方が成績が良く、9.2%と良好な数字を残しています。
ただ、リーマンショック時の激しいチャートからも分かるようにボラティリティも高くなっています。
ETFreplay.comより
IYRの配当・増配率
IYRの年間配当額の推移
過去の配当実績は下図のとおりです。2016年までは増配ペースでしたが2017年以降は減配ペースです。
とはいえ2ドル前後の配当金が安定して狙えるETFと言えます。
IYRの最近の配当履歴
四半期ごとに配当がありますが毎回0.6ドル~0.8ドルの配当支払いがあります。どのETFにも言えますが傾向としては12月の配当金が多くなっています。
ブログ後記
株式クラス、債券クラスだけでなく不動産クラスも持つべきか検討中です。以外だったのはJ-REITより分配利回りが低い点でした。ただ、長期での年間平均成長率がVTI以上なのは魅力的です。引き続き他のETFとも比較、検討します。
関連記事です。全世界の株式市場の過半数を超えるアメリカ株式市場全体に投資する優秀なETFがVTIです。

高ボラティリティのETFと組み合わせて持ちたいのは低ボラティリティの債券ETFです。

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