先日「2050年の世界経済を見据えた投資先選び」と言う記事で書きましたが、ブラジルはGDPの伸び率が2016年比で241%でした。
まだまだ30年かかけて2倍以上に国自体が成長すると見込まれています。
これは長期投資するに値するデータですね。と言うことでブラジルに手軽に?投資ができる米国株式市場に上場するETFの紹介です。
目次
iシェアーズ MSCI ブラジルETF(EWZ)とは
米国株式市場に上場するETFなので購入のハードルは米国株式と同じです。つまり低いハードルです。
iシェアーズシリーズは世界最大の資産運用会社であるブラックロック社が運営するETFです。
EWZ基本データ | |
投資対象 | ブラジルの大型および中型の株式 ブラジルの株式市場の時価総額85%を対象 |
対象インデックス | MSCI Brazil 25/50 Index |
経費率 | 0.62% |
設定日 | 2000/7/10 |
構成銘柄
iシェアーズ MSCI ブラジルETF(EWZ)は63銘柄で構成されています。構成銘柄の組み入れ比率トップ10は次のとおりです。
ティッカー | 銘柄 | 業種 | 構成比率 | 配当利回 |
VALE3 | CIA VALE DO RIO DOCE SH | 素材 | 11.99% | – |
ITUB4 | ITAU UNIBANCO HOLDING PREF SA | 金融 | 10.78% | 6.3% |
BBDC4 | BANCO BRADESCO PREF SA | 金融 | 7.34% | 3.4% |
BRL | BRL CASH | キャッシュ等 | 5.78% | – |
PETR4 | PETROLEO BRASILEIRO PREF SA | エネルギー | 4.93% | 0.2% |
ABEV3 | AMBEV SA | 生活必需品 | 4.32% | 2.7% |
B3SA3 | B3 BRASIL BOLSA BALCAO SA | 金融 | 4.18% | 2.6% |
PETR3 | PETROBRAS | エネルギー | 3.99% | 0.2% |
ITSA4 | ITAUSA INVESTIMENTOS ITAU PREF SA | 金融 | 3.02% | 8.3% |
BBAS3 | BANCO DO BRASIL S/A | 金融 | 2.40% | 3.3% |
組入れ銘柄数が63銘柄と少なめのため、上位10銘柄でETFの58%を構成しています。特に上位2銘柄は各10%を超えています。
業種セクター別構成比率
組入れ比率上位の2位、3位が金融業という事からも伺えますが、金融セクターの比率が多いです。
新興国が成長する過程では国の経済を安定化させるたにも銀行の役割が重要かつ起点となります。
セクター | 構成比 |
金融 | 32.54% |
素材 | 20.75% |
エネルギー | 10.79% |
生活必需品 | 10.78% |
資本財・サービス | 6.79% |
一般消費財・サービス | 5.73% |
公益事業 | 4.60% |
電気通信 | 3.05% |
情報技術 | 1.87% |
不動産 | 1.46% |
ヘルスケア | 1.24% |
キャッシュ等 | 0.42% |
金融以外では素材、エネルギー、生活必需品と続き、ディフェンシブセクターが続くことから安定と高配当が望めそうです。
金融業への偏りがデメリットである反面、ディフェンシブセクターが多く、安定が期待できるメリットも兼ね備えています。
ただ、特にリーマンショックのような金融ショックの際は大きな影響を受けると予想されます。
株価・チャート
iシェアーズMSCIブラジルTF(EWZ)と新興国全体を投資対象としたVWO(バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF)を比較しています。
VWOにはブラジル株式を8.3%含んでいます。多いのは中国(32.6%)、台湾(14.4%)、インド(11.8%)です。なお使用しているチャートは配当込みのトータルリターンです。
全体的にブラジル市況はボラティリティが高いです。
EWZ株価チャート(直近1年間)
直近1年のチャートではVWOは僅かながらプラスで終えているの対し、ブラジルは-10.6%と1割以上も価値が落ちています。
ETFreplay.comより
2018年3月頃からの下落が足を引っ張っていますね。
EWZ株価チャート(直近3年間)
3年間のチャートですとVWOもEWZもプラスです。EWZは3年トータルでは34.9%も成長していることが分かります。
2018年に入ってからの調整が無ければもっと大きな差になっていたでしょう。投資の世界で「たら、れば」はNGですが…
ETFreplay.comより
EWZ株価チャート(設定来)
比較対象のVWOが設定された2005年からのチャートです。リーマンショック時の落ち込みが激しいですね。新興国投資をするならこのリスクを受け入れないといけません。
そしてリーマンショック前高値をまだ突破できていませんね。
ETFreplay.comより
分配・配当の推移
新興国投資のため配当を重視するETFではありません。
配当利回りは1.74%程度です。リーマンショック後に配当額が落ち込んで、ここ3年ほどは1株当たり1ドルを割っています。
2010年以降の配当履歴です。2009年、2010年にドカンと大きな配当がありましたが、最近はバラツキがありますが平均0.3~0.4ドル程度の配当があります。
決算は年2回で6月と12月です。
まとめ
- EWZで2050年にかけてGDPが大241%成長する見込みのあるブラジルに投資ができる
- 3割が金融(銀行)業への投資である点には注意
- ボラティリティ高さにも注意
- 配当はバラつきあり
関連記事です。同じくGDP成長率の期待ができるインドネシアへの投資ができるETFです。

GDP成長率に着目するならインドですね。

高配当ETFならVIGもおススメです。
VIG(バンガード米国増配株式ETF)もおススメETFです!
高配当な株だけを集めたETFにはVYMとHDVがあります。


そんなETFをまとめて比較した記事はこちらです。
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